宗教と信仰1
Religion 1
私たちの世界では、神や類似の存在が実在するのかどうか、いまだ科学的には証明されていません。しかしこの世界では、神は実在し、一部の人類は実際にその意思を感じ取ることができます。僧侶系魔法に代表される奇跡が存在し、歴史上には天使や下位神(または上位天使)が目撃されたこともあります。この世界の人類にとって神とは現実であり、自分には感じられなくとも明らかに実在している超越的存在なのです。
一般人にとって、神と宗教は何よりも実利を与えてくれる存在です。僧侶たちは喜捨名目でお金を払えば怪我を治してくれます。条件が限られ、とんでもない寄付金を要求されるとはいえ、時には死者の蘇生すら可能です。不死怪物を浄化する力を持っているのも聖職者たちの大きな特徴です。
しかし、医療技術が発達し、またモンスターの脅威が組織的に排除できるようになった現代では、宗教の「実利」の威光もやや衰えてきました。若者の不信心はどの世界でも同じなのかもしれません。
そんな現代でも、誕生、結婚、出産、そして死別といった人生の節目ごとに人々は寺院を訪れます。悩み事があれば相談に行きます。人々にとって、宗教はやはり生活に根ざした身近なものであることに変わりはないようです。