モンスターについて

About Monsters

この世界の人々は、おおむね私たちと大差ない暮らしをしています。平和な先進国では大人は会社で働き、子供は学校に行って勉強をします。パソコンや携帯電話が普及し、人々は芸能人やファッションの話題を楽しんでいます。一方で、貧しい国や紛争の絶えない地域もあります。生活レベルという点では、この世界の人々は私たちと変わりありません。

この物語世界と私たちの世界とのもっとも大きな違いは、モンスター(怪物)と魔法が実在することでしょう。人類は昔からモンスターの存在に悩まされていました。人里離れた山奥に棲む偉大な竜、人々を襲うオークやコボルトなどの悪鬼たち、成仏できずこの世をさまよう霊、異界から現われて人々を惑わす悪魔──。人類の敵となるモンスターだけではありません。この世界には精霊や神さえも実在し、人々と深く関わっています。

しかし、人類が世界中に増え、文明が発達した現代では、妖精や悪鬼たちはほとんどが人類に絶滅させられ姿を消していきました。一方で不死怪物や、環境破壊の元で生まれるモンスターなどは依然として人々を脅かしています。吸血鬼や半人半獣、高位魔族など、人間の姿をして社会に紛れ込んでいるモンスターも少なくはありません。

中には、過去にはモンスターと恐れられていたものの、今では絶滅危惧種として保護されている生物もいます。無害化されたモンスターは、もはや人類にとって珍獣でしかないのです。

人類を脅かすことからモンスターと呼ばれた生物たち。しかし、この世界の生態系にとって本当の"モンスター"とは、暴力的なまでの繁殖力で全大陸を席巻した人類の方なのかもしれません。